Fable 5でAI動画制作パイプライン|台本から字幕合成まで
- 更新日: 2026年7月3日
- 読了目安: 約15分
- 作業時間: 約90分
Claude Fable 5は、台本生成からKie.aiでの素材生成、Whisperでの字幕作成、Remotionでの合成まで、複数のAPI(サービス同士をつなぐ入口)をまたぐ長い作業を、1つのセッション(AIとの会話のひと続き)で通せます。
この記事の手順どおりに進めれば、60秒前後のナレーション動画を、編集ソフトなしで1本書き出すところまで進められます。
この記事で、あなたがコードを書くことは1行もありません。やることは、記事の中の文をコピーして貼り付けるだけです。コードは全部Fable 5が書きます。
分からない言葉は、本文の「?」マーク付きの用語をタップすれば短い説明が出ます。初めての人もそのまま読み進めてください。
この手順は、hashshが主催したAI勉強会「第2回帰れない会」で、実際に参加者の前で組んで見せたワークフローそのままです。机上の構成ではなく、その場で1本完成させた流れをブログ用に整理しています。
動画編集ソフトを開かずに、台本、映像、ナレーション、字幕まで作る。それをFable 5に指揮させます。
この記事で分かること
「Fable 5 動画制作」「AI動画 パイプライン」「Kie.ai Whisper Remotion」で検索している人が知りたいのは、たぶん個別ツールの使い方だけではありません。
台本は誰が書くのか。映像素材はどこから持ってくるのか。ナレーションと字幕はどうやって合わせるのか。全部を1つの流れとして、どうつなげばいいのか。そして、それをFable 5に任せると何が変わるのか。
結論:この記事どおりに進めれば、秘密のキーの設定から台本、素材、音声、字幕、合成、そしてスキル化まで、60秒前後のナレーション動画を1本書き出せます。
なお、先に公開しているRemotionのランキング動画記事は「ランキング動画」というフォーマットに特化した作り方です。この記事は、台本→素材→音声→字幕→合成を通す、汎用のナレーション動画パイプラインを扱います。ランキング形式で量産したい人はそちらも読んでください。
最初に送るプロンプト
細かい説明を読む前に、Claude Code上のFable 5にこのプロンプトを貼ってください。
プロジェクトのフォルダ構成、各STEPのスクリプト、確認コマンドまで、最初の動く形を一気に立ち上げるためのプロンプトです。
秘密のキー(APIキー)の値そのものは、絶対にチャットへ貼らないでください。.env の項目名だけを使い、値は自分のPC側で入れます。
AI動画制作パイプラインのプロジェクトを作ってください。
目的:
台本、映像素材、ナレーション音声、字幕を自動で作り、
最後にRemotionで1本のナレーション動画に合成するパイプラインを作りたいです。
完成物:
- 1920x1080の横動画、30fps、60秒前後
- Kie.aiで生成した映像素材を背景に使う
- Kie.aiのTTSで作ったナレーション音声を載せる
- Whisperで作ったタイムスタンプ付き字幕を画面下部に表示する
- 字幕は白文字・黒縁・36pxで見やすくする
前提:
- Node.jsが入っている
- Remotionを使う
- 素材生成はKie.ai API、字幕はOpenAIのWhisper APIを使う
- 秘密のキーは .env に入れてある(ANTHROPIC_API_KEY / KIE_API_KEY / OPENAI_API_KEY)
- 秘密のキーの値そのものは表示もログ出力もしない
作ってほしいフォルダ構成:
ai-video-pipeline/
.env.example
script/
scenario.md
assets/
images/
videos/
audio/
narration.mp3
subtitles/
subtitles.json
scripts/
generate-assets.ts
generate-narration.ts
generate-subtitles.ts
remotion/
src/
Video.tsx
out/
final.mp4
実装してほしいこと:
1. まず全体の設計と実行順を説明してから作り始める
2. script/scenario.md の台本(シーン表と読み上げ原稿)を読み込む前提で組む
3. Kie.aiでシーンごとの画像を作り、Image-to-Videoで6秒の映像にするスクリプトを作る
4. Kie.aiのTTSで読み上げ原稿から narration.mp3 を作るスクリプトを作る
5. Whisper APIで narration.mp3 からタイムスタンプ付きの subtitles.json を作るスクリプトを作る
6. Remotionで映像・音声・字幕を合成するVideo.tsxを作る(1920x1080 / 30fps)
7. npx remotion preview で確認し、npx remotion render で out/final.mp4 に書き出せるようにする
注意:
- Kie.aiとWhisperのAPI仕様は変わる可能性があるので、実装時点の公式ドキュメントに合わせる
- APIキー、パスワード、顧客情報はコードにもログにも出さない
- SNSへの自動投稿機能は作らない。動画を書き出すところまでにする
確認コマンドも用意してください:
- npm run generate:assets
- npm run generate:narration
- npm run generate:subtitles
- npx remotion preview
- npx remotion render
エラーが出た時は、エラー全文を見せるので、
原因の仮説を挙げてから1つずつ確認する進め方にしてください。
最後に、実行する順番と、テーマを変えたい時にどのファイルを直すかをREADMEにまとめてください。
このプロンプトが最短の入口です。ここから先の本文は、各STEPで何が起きているかを初心者向けに分解して説明します。仕組みが分かると、詰まった時に自分で直せるようになります。
AI動画制作パイプラインとは
AI動画制作パイプラインとは、台本作成、映像素材の生成、ナレーション音声の生成、字幕データの作成、動画への合成という工程を、AIとコードで一直線につないだ制作の流れのことです。
普通の動画制作では、この工程を人が別々のツールで行います。台本はドキュメント、映像は素材サイト、ナレーションは収録、字幕は編集ソフトで手打ち。1本作るだけで数時間かかります。
パイプライン化すると、各工程が「前の工程の出力を、次の工程の入力にする」形でつながります。
- 台本のシーン表 → 画像生成プロンプトの元
- 画像 → Image-to-Videoで動く映像素材
- 読み上げ原稿 → TTSでナレーション音声
- ナレーション音声 → Whisperでタイムスタンプ付き字幕
- 映像+音声+字幕 → Remotionで1本に合成
この記事で使う道具は4つです。
Claude Fable 5とは、Anthropicが2026年6月に公開したClaude 5ファミリー最上位クラス(Mythosクラス)のAIモデルで、タスクが長く複雑なほど他モデルとの差が大きくなるのが特徴です。
まだFable 5を使える状態にしていない人は、Claude Codeで claude --version を確認してください。バージョン2.1.170以降が必要で、古い場合は claude update で更新し、起動後に /model でFable 5へ切り替えます。
なぜFable 5が動画パイプラインに向くのか
このパイプラインは、正直どのモデルでも「動くもの」は作れます。それでもFable 5を推す理由は、この作業の性質にあります。
動画パイプラインの構築は、工程が多くて長い作業です。動画編集で言えば、素材集めからテロップ入れ、書き出しまでを1人で通しでやるイメージです。
- 4つの外部ツール(Kie.ai、Whisper、Remotion、Node.js)の仕様をまたぐ
- STEP0からSTEP5まで、前の工程の出力形式を覚えたまま次を作る必要がある
- 途中でエラーが出るたびに、全体の設計を保ったまま部分修正する
Fable 5は、テスト済みのほぼ全ベンチマークで最高性能を出しているモデルですが、特に「タスクが長く複雑なほど、他モデルとの差が大きくなる」と公式に説明されています。数百万トークンにわたって集中を維持できる長文処理も特徴です。
実際に勉強会でこのパイプラインを組んだ時、Fable 5への指示は最初のプロンプトを含めて10回前後で、60秒動画のレンダリング(動画の書き出し)完了まで到達しました。
途中で詰まったのは、.envの読み込み忘れと、Whisperの字幕が短く切れすぎた2箇所だけです。どちらも本文のエラー対処に載せています。
短い単発の作業ならSonnetでも十分です。ただ「STEP2で決めた素材ファイルの名前ルールを、STEP4の合成でも間違えずに使い続ける」ような、工程をまたいで覚えておく力が求められる場面で、モデルの差がそのまま手戻りの回数の差になります。
動画1本あたりのAPIコスト目安
料金の話を先にしておきます。ここを曖昧にしたまま回し始めると、あとで請求を見て驚くことになります。
Fable 5のAPI料金は、100万トークン(トークンは、AIが読み書きする文字量を数える単位)あたり入力10ドル、出力50ドルです。
| モデル | 入力(100万トークン) | 出力(100万トークン) |
|---|---|---|
| Fable 5 | $10 | $50 |
| Opus 4.8 | $5 | $25 |
| Sonnet 5 | $2 | $10 |
目安として、台本1本の生成だけなら入力5千・出力4千トークン程度で、約0.25ドルです。
一方、パイプラインをゼロから構築するセッション全体では、コードの読み書きが積み重なるので、入力20万・出力4万トークン規模になることがあります。この場合Fable 5で約4ドルです。
つまり現実的な使い方は、こうなります。
- パイプラインの構築とスキル化: Fable 5(1回だけ払う価値がある)
- 構築済みパイプラインでの量産運用: Sonnet 5やOpus 4.8でも回る
これに加えて、Kie.aiの生成クレジット(画像・動画・TTS)と、Whisper APIの音声処理料金がかかります。どちらも従量制で、モデルや長さによって変わるため、実額は各サービスの公式料金ページで確認してください。
事前準備
準備するものは5つです。
- Claude Code(バージョン2.1.170以降、/model でFable 5に切り替え済み)
- Node.js(Remotionを動かすための土台ソフト。入れておくだけでよく、直接触りません)
- Kie.aiのアカウントと秘密のキー(APIキー)
- OpenAIのアカウントと秘密のキー(Whisper用)
- 作業用の空フォルダ
まず、デスクトップなどに作業フォルダを作ります。
mkdir ai-video-pipeline
cd ai-video-pipeline
Claude Codeはこのフォルダの中で起動します。
claude
起動したら /model でFable 5が選ばれているか確認してください。
Claude Code自体をまだ入れていない人は、先にClaude Codeのインストール記事から進めてください。
STEP0 .envに秘密のキーを設定する
このSTEPでやることを一言で: 3つの秘密のキーを、1つのメモファイルにまとめてパソコンに覚えさせます。
最初にやるのは、秘密のキー(APIキー)を、秘密のキーを書いておくメモファイル(.env)にまとめることです。
キーをチャットやコードに直書きせず、この1つのファイルに集めておくのが安全な形です。
vimで.envを作る
約3分黒い画面(ターミナル)の中で使えるメモ帳のようなツール(vim)で作ります。vimが怖ければ、このカードの最後にある「vimを使わない方法」に進んでもOKです。
vim .env
vimは操作に癖があるので、この3つだけ覚えてください。
- i を押す → 文字が打てるモードになる
- 書き終わったら Esc を押す → 打てるモードを抜ける
- :wq と打って Enter → 保存して閉じる
書く内容はこの3行です。値は自分のキーに置き換えてください。= の前後にスペースを入れないでください。
ANTHROPIC_API_KEY=ここに自分のキー
KIE_API_KEY=ここに自分のキー
OPENAI_API_KEY=ここに自分のキー
vimを使わない方法: 普通のメモアプリで作っても、結果は同じです。Windowsのメモ帳などのテキストエディタで上の3行を書き、保存する時のファイル名を .env にして、作業フォルダ(ai-video-pipeline)の直下に保存してください。ファイル名が .env.txt のように末尾に .txt が付くと読み込めないので、そこだけ注意します。
Macで.envを読み込む
約1分作った .env を、今のターミナルに読み込ませます。
export $(cat .env | xargs)
読み込めたか、項目名の有無だけ確認します。
env | grep KIE_API_KEY | cut -d= -f1
WindowsのPowerShellで読み込む
約1分Windowsの場合は、PowerShellでこのコマンドを使います。.env の各行を読んで、今開いているPowerShellにキーを覚えさせる処理(環境変数への読み込み)です。
Get-Content .env | ForEach-Object {
if ($_ -match '^\s*([^#][^=]*)=(.*)$') {
[System.Environment]::SetEnvironmentVariable($matches[1].Trim(), $matches[2].Trim(), 'Process')
}
}
確認はこうです。
if ($env:KIE_API_KEY) { "KIE_API_KEY: OK" } else { "KIE_API_KEY: 未設定" }
- .env ファイルがプロジェクト直下にある
- 3つのキーが「名前=値」の形で書かれている
- 読み込み確認コマンドで項目名が表示された
1つでも当てはまらない場合は、この下のエラー対処「.envに書いたキーが読み込めません」へ進んでください。
STEP1 Fable 5で台本を作る
このSTEPでやることを一言で: 動画の設計図になる台本を、コピペのプロンプト1つでFable 5に書いてもらいます。
次に、動画の設計図になる台本をFable 5に作らせます。
ポイントは、自由に書かせないことです。テーマ、尺、対象、スタイルの4つを指定し、出力形式を「シーン表+読み上げ原稿」に固定します。
台本生成プロンプトを送る
約5分勉強会で使ったプロンプトがこれです。そのまま貼って、[ ]の中だけ書き換えてください。
以下の条件で、ナレーション動画の台本を作ってください。
テーマ: [AIツールで仕事を時短する方法]
尺: [60秒]
対象: [SNSでAI活用に興味を持った初心者]
スタイル: [落ち着いたシネマティック]
出力形式:
1. シーン表(4列: シーン番号 / 秒数 / ナレーション / 映像イメージ)
2. 読み上げ原稿(ナレーションだけを通しで読める形)
条件:
- 各シーンは6秒前後で区切る
- ナレーションは1シーン2文まで
- 映像イメージは、画像生成プロンプトに変換しやすい具体的な描写にする
- 誇張表現、断定しすぎる表現は使わない
- 出力は script/scenario.md に保存する
シーン表が4列になっている理由は、それぞれ次の工程で使うからです。
- シーン番号: 素材ファイルの名前(scene-01.png など)に使う
- 秒数: Remotionでの表示時間の元データになる
- ナレーション: TTSとWhisperの答え合わせに使う
- 映像イメージ: Kie.aiの画像生成プロンプトの元になる
尺60秒でシーン6秒前後なら、シーンは9〜10個になります。出てきた台本は必ず読んでください。事実が怪しい箇所、言い回しが硬い箇所は、この時点で直すのが一番安上がりです。
- script/scenario.md にシーン表と読み上げ原稿が保存された
- シーン表が4列(番号・秒数・ナレーション・映像イメージ)になっている
- 全シーンの秒数を足すと指定した尺に近い
1つでも当てはまらない場合は、プロンプトの出力形式の部分をもう一度指定し直してください。
STEP2 Kie.aiで映像素材とナレーションを作る
このSTEPでやることを一言で: 台本をもとに、背景の映像素材とナレーション音声をAIに作ってもらいます。
台本ができたら、Kie.aiで素材を作ります。ここは3段階です。
シーンごとの画像を生成する
約10分シーン表の「映像イメージ」列から、シーンごとの画像を生成します。Fable 5にはこう頼みます。
script/scenario.md のシーン表を読んで、
各シーンの映像イメージをKie.aiの画像生成用の英語プロンプトに変換してください。
条件: 文字やロゴを入れない指定を必ず含める。
そのプロンプトで画像を生成して assets/images/scene-01.png のように保存する
スクリプトを scripts/generate-assets.ts に実装してください。
Image-to-Videoで6秒の映像にする
約10分できた静止画をImage-to-Video(画像から短い動画を作る機能)で6秒の映像にします。この時に渡す動きの指定がMotion promptです。勉強会で使ったのはこれです。
Slow zoom in, smooth camera movement, cinematic feel
ゆっくりズームインする滑らかなカメラワーク、という指定です。ナレーション動画の背景は、動きが激しいと字幕が読みにくくなるので、まずはこの控えめな指定から始めるのがおすすめです。
TTSでナレーション音声を作る
約5分読み上げ原稿から、TTS(テキストを読み上げ音声にする機能)でナレーションを作ります。
script/scenario.md の読み上げ原稿から、
Kie.aiのTTSでナレーション音声を生成して
assets/audio/narration.mp3 に保存するスクリプトを
scripts/generate-narration.ts に実装してください。
声の設定は落ち着いた日本語の声にしてください。
Kie.aiで使えるモデル、料金、生成にかかる時間、TTSの声の種類は、モデルや時期によって変わります。実際のエンドポイントやパラメータは、実装時点のKie.ai公式ドキュメントに合わせてください。Fable 5に公式ドキュメントのURLを渡して「これに合わせて」と頼むのが確実です。
- assets/images/ にシーン数ぶんの画像がある
- assets/videos/ に6秒前後の映像ファイルがある
- assets/audio/narration.mp3 が再生でき、原稿どおり読み上げている
生成が失敗する場合は、エラー対処「Kie.aiの画像・動画・音声の生成が失敗します」を見てください。
STEP3 Whisperで字幕データを作る
このSTEPでやることを一言で: ナレーション音声から、表示タイミング付きの字幕データを自動で作ります。
ナレーション音声ができたら、Whisperで字幕データを作ります。
Whisperは、音声を文字に起こすOpenAIのAPIです。ただ文字にするだけでなく、「この言葉は何秒から何秒まで話されているか」というタイムスタンプ付きで返せるのがポイントです。これがあるから、字幕と音声がピッタリ合います。
subtitles.jsonを作る
約5分Fable 5への頼み方はこうです。
assets/audio/narration.mp3 をOpenAIのWhisper APIに送り、
タイムスタンプ付きの文字起こし結果を
subtitles/subtitles.json に保存するスクリプトを
scripts/generate-subtitles.ts に実装してください。
条件:
- .env の OPENAI_API_KEY を使う
- 1つの字幕は「開始秒数・終了秒数・テキスト」の形にする
- 1行が長くなりすぎる場合は読みやすい長さで分割する
subtitles.json は、だいたいこういう形になります。
[
{ "start": 0.0, "end": 3.2, "text": "動画編集ソフトを開かずに" },
{ "start": 3.2, "end": 6.8, "text": "動画を1本作ってみます" }
]
このファイルが、次のSTEP4でRemotionが読む字幕の正体です。中身を開いて、ナレーションと文字が合っているか、ざっと確認してください。固有名詞やカタカナ語は聞き間違いが起きやすいので、ここで直しておきます。
- subtitles/subtitles.json ができている
- startとendの数字が音声の長さの範囲に収まっている
- テキストがナレーション原稿とほぼ一致している
タイムスタンプがずれている場合は、エラー対処「Whisperのタイムスタンプがずれています」へ進んでください。
STEP4 Remotionで字幕を合成して書き出す
このSTEPでやることを一言で: 映像・音声・字幕を重ねて、1本の動画ファイルに書き出します。
素材が揃ったので、Remotionで1本の動画に合成します。
Remotionは、コードで動画を組み立てるツールです。Reactという仕組みを使いますが、コードを書くのはFable 5なので、中身が読めなくても進められます。今回の合成内容は remotion/src/Video.tsx に書きます。やることは4つです。
- シーンごとの映像素材を、シーン表の秒数どおりに順番に並べる
- ナレーション音声を全体に載せる
- subtitles.json を読み、現在の再生時間に合う字幕を表示する
- 動画設定を1920x1080、30fpsにする
字幕の見た目は、勉強会で使った設定をそのまま基準にしてください。画面下部・白文字・黒縁・36pxです。白文字に黒縁の組み合わせは、背景がどんな明るさでも読める、字幕の定番スタイルです。
Video.tsxを実装させる
約10分Fable 5への頼み方の例です。
remotion/src/Video.tsx を実装してください。
条件:
- 1920x1080、30fps、尺はシーン表の合計に合わせる
- assets/videos/ の映像をシーン順に並べる
- assets/audio/narration.mp3 を全体のナレーションとして載せる
- subtitles/subtitles.json を読み、再生時間に合う字幕を画面下部に表示する
- 字幕は白文字・黒縁・36pxにする
プレビューして書き出す
約10分できたら、まずプレビューで確認します。
npx remotion preview
ブラウザにRemotion Studioが開き、再生しながら確認できます。見るのは、字幕のタイミング、文字のはみ出し、シーンの切り替わりの3点です。
問題なければ書き出します。
npx remotion render
out/final.mp4 ができたら、動画プレイヤーで最初から最後まで再生してください。プレビューで気づかなかった音ズレや字幕切れが、書き出し後に見つかることもあります。
- プレビューで映像・音声・字幕が同時に動いている
- 字幕が画面内に収まって読める
- out/final.mp4 が最後まで再生できる
1つでも当てはまらない場合は、この下のエラー対処へ進んでください。
STEP5 パイプラインをスキル化する
このSTEPでやることを一言で: 今日の流れをAIに記憶させて、次回から一言で呼び出せるようにします。
最後の仕上げです。ここまでの流れを、Claude Codeのスキルとして保存します。
スキル化とは、確立した作業手順をSKILL.mdというファイルに書いておき、次回から「この手順でやって」と一言で呼び出せるようにすることです。これをやるかどうかで、2本目以降の制作時間が全く変わります。
同じセッションのままスキル化を頼む
約5分Fable 5に、同じセッションの中でこう頼んでください。セッション中なら、何をやったかをFable 5自身が完全に把握しているので、精度の高いスキルになります。
今回のAI動画制作パイプラインの流れ全体を、
Claude Codeのスキルとして ./skills/video-pipeline/SKILL.md に保存してください。
含める内容:
- name と description のfrontmatter
- パイプラインの概要
- 必要な環境変数(.envの項目名のみ。値は書かない)
- STEP0〜STEP4の実行手順と確認コマンド
- 台本生成のプロンプトテンプレート
- 出力形式(フォルダ構成とファイル名の規則)
- カスタマイズできる箇所の一覧
- よくあるエラーと対処
次回からは、新しいテーマを渡して「video-pipelineスキルの手順で1本作って」と頼むだけです。
- ./skills/video-pipeline/SKILL.md が作られた
- 秘密のキーの「値」がファイルに書かれていない
- 手順どおりに2本目が作れそうな粒度で書かれている
スキル化のコツ(サンプルを3個作ってからスキル化する方法など)は、記事末尾のプロンプト集の記事と合わせて参考にしてください。
カスタマイズ早見表
このパイプラインは、直す場所さえ知っていれば、雰囲気の違う動画に簡単に作り替えられます。
| 変えたいもの | 直す場所 | 例 |
|---|---|---|
| 映像のスタイル | STEP2の画像生成プロンプト | 実写風、アニメ調、ミニマルなど |
| ナレーションの声 | STEP2のTTS設定 | 落ち着いた男性声、明るい女性声など |
| 字幕のデザイン | STEP4のVideo.tsx | 文字サイズ、色、縁の太さ、位置 |
| 動画の尺 | STEP1の台本プロンプトの尺指定 | 30秒、60秒、3分 |
| 文字起こしの精度 | STEP3のWhisperモデル指定 | largeモデルで精度を上げる |
逆に言うと、この5箇所以外は触らなくても量産できます。「どこを変えると何が変わるか」をスキルのSKILL.mdにも書いておくと、あとで迷いません。
よくあるエラーと対処法
エラーが出ても、パソコンが壊れたわけではありません。まずは、いま画面に見えている文をそのまま眺めるところから始めましょう。英語のエラー文は失敗の宣告ではなく、「どこを直せばいいか」を教えてくれるメモです。
意味が分からなくても、全文をコピーしてFable 5に貼れば、原因の候補を挙げてくれます。勉強会でも、詰まりポイントはだいたい同じ場所でした。ただし、秘密のキーの値は絶対に貼らないでください。
Q. .envに書いたキーが読み込めません
A. 一番多いのは、.env を作っただけで読み込みコマンドを実行していないケースです。Macなら export $(cat .env | xargs) を、ターミナルを開き直すたびに実行してください。それでもダメな場合は、= の前後にスペースが入っていないか、値を引用符で囲んでいないか、ファイル名が .env.txt になっていないかを確認します。読み込み確認は項目名だけ表示する形が安全です。
Q. vimの画面から抜けられません
A. vimあるあるです。落ち着いて Esc を押してから、:wq と打って Enter で保存して閉じられます。保存せずに閉じたい時は :q! です。何を押したか分からなくなった時も、まず Esc を連打すれば通常モードに戻ります。
Q. Kie.aiの画像・動画・音声の生成が失敗します
A. まず、すぐ失敗したのか、待っていたら時間切れになったのかを分けて見てください。すぐ失敗する場合は、キーの設定ミス、クレジット残高の不足、モデル名やパラメータの間違いが候補です。時間がかかっている場合は、動画生成は数分待つことも普通にあります。Kie.aiの仕様やモデルは変わることがあるので、エラーが続く時は公式ドキュメントの最新のリクエスト例をFable 5に渡して、スクリプトを合わせ直してもらうのが確実です。
Q. Whisperのタイムスタンプがずれています
A. まず、Whisperに渡した音声と、Remotionで再生している音声が同じファイルか確認してください。TTSを作り直したのに字幕を作り直していないと、必ずずれます。音声自体は合っているのに全体が一定時間ずれる場合は、音声の先頭に無音があるケースが多いので、Fable 5に「subtitles.jsonの全タイムスタンプを一定秒オフセットする処理を足して」と頼めば直せます。細かい単語単位のずれは、largeモデルを指定して精度を上げると改善することがあります。
Q. Remotionのレンダーが失敗します
A. npx remotion render のエラー文の最初の数行に、原因がほぼ書いてあります。多いのは、素材ファイルのパス間違い(assets/videos/の中身が空、ファイル名の大文字小文字違い)、subtitles.jsonの形式崩れ、メモリ不足です。まず npx remotion preview でプレビューが動くか確認し、プレビューは動くのにレンダーだけ失敗する場合は、エラー全文をFable 5に貼って切り分けてもらってください。
Q. 字幕と音声がずれて表示されます
A. Remotion側のfps設定と、タイムスタンプの変換を確認してください。subtitles.jsonの単位は秒、Remotionの内部はフレームなので、30fpsなら「秒×30」の変換が必要です。ここの変換が抜けている、またはfpsが混ざっている(動画設定は30fpsなのに計算は24fpsなど)のが定番の原因です。Fable 5に「秒からフレームへの変換部分を見直して」と頼むとすぐ見つかります。
Q. 字幕が画面からはみ出します(枠切れ)
A. 1つの字幕のテキストが長すぎるのが原因です。STEP3の文字起こしスクリプトの「1行の長さで分割する」条件を短めに調整するか、Video.tsx側で文字サイズを下げる、折り返しを許可する、左右に余白を取る、のどれかで直ります。日本語の場合、1920x1080・36pxなら1行25〜30文字あたりを目安に分割すると収まりやすいです。
エラーが出た瞬間、ほとんどの人がここで諦めます。
この記事を読んでも解決しなかった人は、公式LINEまでお問い合わせください。30分無料で面談したり、一緒に画面を見ながら作業したりすることも可能です。
AIに聞くためのプロンプト集
詰まった時は、状況を整理してAIに渡すのが一番早いです。
秘密のキー、パスワード、顧客情報、決済情報は貼らないでください。エラー文に長い英数字の文字列が含まれている場合は、その部分を伏せてから貼ります。全体の進め方で迷った時
AI動画制作パイプラインを作っています。
台本→Kie.aiで素材→Whisperで字幕→Remotionで合成、という流れです。
今終わっているSTEP:
今止まっているSTEP:
使っているPC:
今分からないこと:
初心者向けに、次に確認する順番を教えてください。
.envの設定で止まった時
.envに秘密のキーを設定しましたが、読み込めていない気がします。
使っているPC:
実行した読み込みコマンド:
確認コマンドの表示結果:
.envの書き方(値は伏せて、項目名と形だけ):
原因の候補と確認手順を、1つずつ教えてください。
秘密のキーの値は貼りません。
台本の質を上げたい時
ナレーション動画の台本を良くしたいです。
テーマ:
尺:
対象:
今の台本の気になる点:
シーン表(シーン番号・秒数・ナレーション・映像イメージの4列)の形を保ったまま、
ナレーションを自然な話し言葉に直してください。誇張表現は使わないでください。
Kie.aiの素材生成で迷った時
Kie.aiで動画素材とナレーションを作っています。
作りたい映像の雰囲気:
今使っているMotion prompt:
今困っていること:
表示されたエラー(あれば全文、秘密の文字列は伏せる):
すぐ失敗しているのか生成待ちなのかの切り分け方と、
次に試すことを教えてください。
Whisperの字幕で困った時
Whisperで作った字幕データ(subtitles.json)に問題があります。
症状(ずれる・誤字・行が長いなど):
音声ファイルの長さ:
subtitles.jsonの一部(2〜3件分):
原因の候補と、スクリプト側で直す方法を教えてください。
Remotionの字幕デザインを変えたい時
Remotionのナレーション動画で、字幕の見た目を調整したいです。
今の設定: 画面下部・白文字・黒縁・36px
変えたいこと:
動画サイズ: 1920x1080 / 30fps
Video.tsxのどこをどう直せばいいか、コードで教えてください。
公開前チェックをしたい時
AIで作ったナレーション動画を公開する前に確認したいです。
動画のテーマ:
ナレーションの内容の要約:
使った素材(Kie.aiで生成):
投稿予定の場所:
事実確認、著作権、商用利用、見やすさの観点で
チェックリストを作ってください。
AI動画パイプラインの実務での使い方12選
このパイプラインの本当の価値は、1本作れることではなく「型として何度でも回せる」ことです。実務で使いやすい例を12個挙げます。
AIが作ったナレーションの内容は、公開前に必ず事実確認してください。特に料金、効果、比較の表現は要注意です。Kie.aiで生成した素材の商用利用条件はモデルやプランによって違うので、仕事で使う前に利用規約を確認してください。
SNSへの自動投稿までの自動化は、アカウントリスクの責任が取れないため推奨しません。書き出した動画を人が確認してから投稿する運用にしてください。
よくある質問
Fable 5は無料でAI動画パイプラインを作れますか?
Fable 5はFreeプランでは使えません。Pro・Max・Teamプランが対象で、2026年7月1日〜7月7日は週間利用枠の50%まで無料で使えるプロモーション期間、7月8日以降はUsage Credits(従量クレジット)での利用になります。API利用の場合は100万トークンあたり入力10ドル・出力50ドルです。最新の条件は公式料金ページで確認してください。
Kie.aiは無料で使えますか?
Kie.aiは基本的にクレジット制の有料サービスです。画像生成、Image-to-Video、TTSそれぞれでクレジットを消費し、使うモデルによって単価が変わります。無料枠やキャンペーンの有無は時期によって変わるため、最新はKie.ai公式サイトで確認してください。
Whisperを使うには何が必要ですか?
WhisperのAPIを使うには、OpenAIのアカウントと秘密のキー(APIキー)が必要です。この記事では.envにOPENAI_API_KEYとして設定し、ナレーション音声からタイムスタンプ付きの字幕データを作るために使います。料金は音声の長さに応じた従量制です。
Remotionを触ったことがなくても作れますか?
作れます。この記事のパイプラインでは、RemotionのコードはFable 5が書き、人はnpx remotion previewでの確認と、npx remotion renderでの書き出しをすればいい設計です。字幕の見た目を変えたい時も、変えたい内容を日本語で伝えれば直してもらえます。
SonnetやOpusでも同じパイプラインを作れますか?
作れます。ただし、複数のAPIをまたいで長い手順を一貫して組む作業では、Fable 5の方が手戻りが少ない傾向があります。おすすめは、構築とスキル化をFable 5で行い、できあがった型での量産はSonnet 5やOpus 4.8で回す使い分けです。API料金はSonnet 5がFable 5の5分の1です。
生成したAI動画は商用利用できますか?
使う素材の生成元の規約次第です。Kie.aiは扱うモデルごとに商用利用条件が違うため、仕事や広告で使う場合は、実際に使ったモデルの利用規約を必ず確認してください。ナレーションの内容自体も、公開前に事実確認と表現チェックをしてください。
1本作るのにどれくらい時間がかかりますか?
パイプラインを最初に構築する日は、勉強会の実測でエラー対応も含めて1〜2時間ほど見てください。一度スキル化してしまえば、2本目以降は素材の生成待ち時間が中心になり、人が手を動かす時間は台本の確認と最終チェックくらいになります。
まとめ
Fable 5でのAI動画制作パイプラインは、「AIに動画を作って」と丸投げすることではありません。
台本、素材、音声、字幕、合成という工程を分けて、それぞれの出力が次の入力になるように設計し、その全体をFable 5に指揮させることです。そして最後にスキル化して、次回から一言で呼び出せる型にすることです。
- 作業フォルダを作って .env に3つのキーを設定する
- 「最初に送るプロンプト」をFable 5に貼る
- STEP1の台本プロンプトで60秒の台本を作る
- Kie.ai、Whisper、Remotionの順に1本通す
- 完成したらすぐ、同じセッションでスキル化する
最初の1本は詰まって大丈夫です。エラーはFable 5に貼れば一緒に直せます。2本目からが、このパイプラインの本番です。
シリーズの全体像やFable 5の基本を先に押さえたい人は、マスターガイドから読んでください。
更新履歴
- 2026-07-03: 初心者向けに説明を見直し。
- 2026-07-02: 記事公開。