GPT-5.6でデータ分析入門|ExcelとCSVをAIに任せる
- 更新日: 2026年7月15日
- 読了目安: 約15分
- 作業時間: 約15分
GPT-5.6は、売上CSVの集計、チャネル別・月別の内訳表、グラフ用データの作成、異常値の検出、気づきレポートの草案まで、日本語の指示だけで作れます。
この記事のサンプルCSVとプロンプトをそのまま使えば、データ分析の一連の流れを約15分で一度体験できます。ただし、AIの出した数字は必ず1箇所検算してから使ってください。
文章のAIだと思っていたら、置いていかれます。数字仕事は、GPTに任せる時代になりました。
プログラミングの知識は一切要りません。表をコピーして、チャットに貼る。人間の作業はそれだけです。
練習用の架空の売上CSVをこの記事に丸ごと載せているので、自分のデータを用意しなくても今この場で試せます。
この記事で分かること
「GPT-5.6 データ分析」「ChatGPT CSV 集計」で調べている人が知りたいのは、たぶん機能名ではありません。
ExcelやCSVをそのまま渡していいのか。集計を間違えないのか。グラフはどうやって作るのか。どのプランとどのモデルを選べばいいのか。顧客名が入ったデータを貼って大丈夫なのか。
この記事は、その全部に答えます。
AI駆動倶楽部では、GPTは理系(計算・コード・分析に強い)、Claudeは文系(文章・デザインに強い)と整理しています。
数字仕事の入口として最初に読む記事が、これです。
GPT-5.6のデータ分析とは?GPTが「理系」と言われる理由
GPT-5.6とは、OpenAIが2026年7月9日(日本時間7月10日)に一般公開した最新のAIモデル群です。ChatGPT、ChatGPT Work、Codex、APIで初日から全地域に展開され、日本でも使えます。
GPT-5.6は、能力の違う3つのモデルで構成されています。
なぜデータ分析の記事でGPTなのか。AI駆動倶楽部では、AIの使い分けをこう整理しています。
GPTは理系。計算、コード、データ処理、分析に強い。Claudeは文系。文章、構成、デザインに強い。
もちろん実際は両方ともなんでもできます。ただ、毎回どっちを使うか迷うより、「数字仕事はまずGPT」「文章仕事はまずClaude」と入口を決めてしまう方が、実務は速く回ります。この記事は「数字仕事はGPT」の入口です。
データ分析といっても、この記事でやることはシンプルです。
- 表のデータ(CSV)をAIに渡す
- 集計させる(月別、チャネル別、商品別)
- グラフ用のデータを作らせる
- 「気づき」をレポートにさせる(異常な数字、傾向、仮説)
今までExcelで関数やピボットテーブルを駆使してやっていた作業が、日本語の指示だけで進みます。
関数を1つも覚えなくていい、というのが一番の変化です。
シリーズの全体像はGPT-5.6完全マスターガイドにまとめています。
最初に送るプロンプト
先に、全部入りのプロンプトを置きます。
次のセクションのサンプルCSVと一緒にChatGPT(GPT-5.6)へ貼れば、集計からレポートの草案まで一気に進みます。細かい理屈は、このあとの本文でSTEPごとに分解して説明します。
顧客の実名、口座番号、カード番号は貼らないでください。消し方はこの記事の数字の取り扱いのセクションに書いています。
あなたはデータ分析のアシスタントです。
これから売上データのCSVを渡すので、分析してください。
## 目的
経営判断の材料になる「集計+グラフ用データ+気づき」を作る。
## 手順
1. まず、読み込めた行数と、データの期間(最初の日付と最後の日付)を教えてください
2. 私が「OK」と返したら、次の集計をしてください
- 月別の売上合計
- 販売チャネル別の売上合計(月別のクロス集計も)
- 商品カテゴリ別の売上合計
3. グラフ用データを作ってください
- 月別売上の表(そのままスプレッドシートに貼れる形)
- チャネル別×月別の表
4. 気づきレポートを作ってください
- 数字がおかしい可能性のある行(重複、桁違い、単価の異常)
- 3ヶ月の傾向(伸びているもの、落ちているもの)
- 要因の仮説(断定せず「可能性」として最大3つ)
- 次に確認すべきこと
## ルール
- 数字は渡したデータからだけ計算する。データに無い数字を推測で作らない
- 計算根拠を聞かれたら、元の行を示せるようにする
- おかしい行を見つけたら、削除や修正はせず「報告」だけする
- 敬語は不要。表と箇条書き中心で短く
それでは、CSVを渡します。
最初に「行数と期間の確認」を挟んでいるのがポイントです。いきなり集計させず、読み込みが正しいかを先に確かめる。この一手間が、AI分析の事故を一番減らします。
練習用サンプルCSV(コピーして使えます)
架空の小さなお店(コーヒー豆と焼き菓子の店)の、3ヶ月分の売上データを用意しました。30行の完全な架空データなので、そのままAIに貼って大丈夫です。
このデータにはわざと3つの「仕掛け」を入れています。何を仕込んだかはSTEP3で答え合わせするので、まずは知らないふりをして進めてください。
あなたのAIがこの3つを見つけられたら、実データを任せる信頼の目安になります。
日付,チャネル,商品カテゴリ,商品名,数量,単価,売上金額
2026-04-03,店頭,ドリンク,コーヒー豆ブレンドA,12,1200,14400
2026-04-05,オンライン,焼き菓子,クッキー缶,8,2400,19200
2026-04-08,店頭,焼き菓子,フィナンシェ5個入,15,900,13500
2026-04-10,卸,ドリンク,コーヒー豆ブレンドA,40,960,38400
2026-04-14,オンライン,ギフト,ギフトセットS,5,3500,17500
2026-04-17,店頭,ドリンク,カフェオレベース,10,1400,14000
2026-04-21,オンライン,ドリンク,コーヒー豆ブレンドB,9,1350,12150
2026-04-24,店頭,焼き菓子,クッキー缶,6,2400,14400
2026-04-27,卸,焼き菓子,フィナンシェ5個入,30,720,21600
2026-04-29,オンライン,ギフト,ギフトセットM,4,5200,20800
2026-05-02,オンライン,ドリンク,コーヒー豆ブレンドA,14,1200,16800
2026-05-06,店頭,ドリンク,コーヒー豆ブレンドA,8,1200,9600
2026-05-09,オンライン,焼き菓子,クッキー缶,12,2400,28800
2026-05-09,オンライン,焼き菓子,クッキー缶,12,2400,28800
2026-05-13,卸,ドリンク,コーヒー豆ブレンドB,35,1080,37800
2026-05-16,店頭,焼き菓子,フィナンシェ5個入,9,900,8100
2026-05-20,オンライン,ギフト,ギフトセットS,7,3500,24500
2026-05-23,店頭,ドリンク,カフェオレベース,7,1400,9800
2026-05-27,オンライン,ドリンク,コーヒー豆ブレンドB,11,1350,14850
2026-05-30,卸,焼き菓子,クッキー缶,20,1920,38400
2026-06-03,オンライン,ドリンク,コーヒー豆ブレンドA,16,1200,19200
2026-06-05,店頭,ドリンク,コーヒー豆ブレンドA,6,1200,7200
2026-06-09,オンライン,焼き菓子,クッキー缶,15,2400,36000
2026-06-11,卸,ドリンク,コーヒー豆ブレンドA,45,960,43200
2026-06-15,オンライン,ドリンク,カフェオレベース,9,14000,126000
2026-06-18,店頭,焼き菓子,フィナンシェ5個入,7,900,6300
2026-06-21,オンライン,ギフト,ギフトセットM,6,5200,31200
2026-06-24,店頭,ドリンク,カフェオレベース,5,1400,7000
2026-06-26,卸,焼き菓子,フィナンシェ5個入,35,720,25200
2026-06-29,オンライン,ドリンク,コーヒー豆ブレンドB,13,1350,17550
使い方は2通りあります。
- そのままチャットに貼る: 一番簡単。「最初に送るプロンプト」の直後に貼るだけ
- ファイルとして渡す: メモ帳(Macならテキストエディット)に貼って uriage.csv という名前で保存し、チャットに添付する
30行程度ならどちらでも結果は変わりません。実務で数百行〜数千行を扱うようになったら、ファイル添付が基本になります。
準備するもの(プランとモデルの確認)
必要なものは3つだけです。
- ChatGPTのアカウント(下記のプラン条件あり)
- 分析したいCSV(まずは上のサンプルでOK)
- 15分の作業時間
プランの条件だけ、少しややこしいので整理します。GPT-5.6は、使う場所によって選べるモデルが違います。
| 使う場所 | Free / Go | Plus | Pro / Enterprise |
|---|---|---|---|
| ChatGPT本体(チャット) | GPT-5.6は使えない | Solのみ(推論レベルmedium以上) | Sol+Sol Pro |
| ChatGPT Work / Codex | Terraのみ | Sol・Terra・Luna 3モデル | Sol・Terra・Luna 3モデル |
| API(開発者向け) | 3モデル制限なし | 3モデル制限なし | 3モデル制限なし |
この記事の入門レベルなら、まずはPlusプランのChatGPTでSolを使えばOKです。データ分析の「考える部分」に一番強いモデルが、追加の設定なしで使えます。
無料のFree/GoプランはChatGPT本体でGPT-5.6が使えないため、この記事の手順にはPlus以上をおすすめします。料金やプランの条件は変わる可能性があるので、最終確認は公式ページでしてください。
CSVという言葉に身構えなくて大丈夫です。CSVは「表をカンマ区切りのテキストにしたファイル」で、Excelやスプレッドシートの「名前を付けて保存」や、各種サービスの「エクスポート」ボタンから出てくるのが大体これです。
Excelファイル(.xlsx)しかない場合は、Excelで開いて「名前を付けて保存」→「CSV UTF-8」を選んで保存し直すのが確実です。
STEP1|CSVを渡して集計する
ここから実践です。所要時間は3ステップ合わせて約15分です。
プロンプトとCSVを貼る
約2分やることを一言で:プロンプトとCSVを貼って、まず「何行読めたか」を確認します。
- ChatGPTを開き、モデルがGPT-5.6(Sol)になっているか画面上部で確認する
- 「最初に送るプロンプト」を貼る
- 続けてサンプルCSVを貼って送信する
読み込み確認に「OK」を返す
約1分最初の返事は集計結果ではなく「30行、期間は2026-04-03〜2026-06-29」のような読み込み確認になるはずです。
ここで自分の目でも数えます。サンプルCSVは見出し行を除いて30行。期間は4月頭から6月末。合っていたら「OK」と返してください。
3つの集計表を受け取る
約2分「OK」のあとに出てくるのが集計本体です。
- 月別の売上合計(4月・5月・6月)
- チャネル別(オンライン・店頭・卸)の売上合計と月別クロス集計
- 商品カテゴリ別(ドリンク・焼き菓子・ギフト)の売上合計
Excelだったらピボットテーブルを3回組む作業が、依頼文1つで出てきます。
- 行数と期間の確認が返ってきた
- 月別・チャネル別・カテゴリ別の3つの表が出ている
どれか欠けていたら、エラー対処のセクションへ進んでください。
STEP2|グラフ化する
やることを一言で:グラフ用のデータを出させて、スプレッドシートで絵にします。
集計の続きで、こう送ります。
月別売上と、チャネル別×月別の2つを、グラフ用データにしてください。
条件:
- スプレッドシートにそのまま貼れる、タブ区切りのテキストで出す
- 1つ目: 縦に月、横に売上合計
- 2つ目: 縦に月、横にチャネル(オンライン/店頭/卸)のクロス表
- 数字は3桁カンマなしの整数で
出てきたデータをコピーして、Googleスプレッドシート(またはExcel)に貼り、範囲を選択して「挿入」→「グラフ」を押すだけです。月別売上は棒グラフ、チャネル別の推移は折れ線が見やすいです。
ChatGPTの画面上でグラフ画像を直接描いてくれる場合もあります。ただ、表示のされ方は環境や時期で変わるので、この記事では「グラフ用データを出させて、スプレッドシートで描く」を基本ルートにしています。
この方法なら必ず再現でき、グラフをあとから自分で編集できて、毎月同じシートに貼り足せば推移のダッシュボード(数字の推移をひと目で見られる画面)にもなります。
グラフにした瞬間、数字の表では見えなかったことが見えてきます。サンプルデータなら、あるチャネルの線がきれいに右肩下がりになっているはずです。それが何かは、次のSTEPで答え合わせします。
- タブ区切りのグラフ用データが2つ出ている
- スプレッドシートに貼って列がちゃんと分かれている
- グラフが表示された
貼り付けで列が分かれない時は、エラー対処を見てください。
STEP3|気づきレポートを作らせる(答え合わせつき)
やることを一言で:「おかしい数字」と「傾向」をレポートにさせて、仕込んだ仕掛けと答え合わせします。
最初のプロンプトを使っていれば、集計に続けて気づきレポートも出てきているはずです。出ていなければ、こう送ります。
このデータの「気づきレポート」を作ってください。
構成:
1. 数字がおかしい可能性のある行(重複、桁違い、単価の異常。行を特定して報告)
2. 3ヶ月の傾向(チャネル別・カテゴリ別で、伸びているもの/落ちているもの)
3. 要因の仮説(断定せず「可能性」として最大3つ)
4. 経営者が次に確認すべきこと(3つまで)
ルール:
- おかしい行は「削除すべき」ではなく「確認すべき」として報告する
- データから言えない理由は推測と明記する
ここで、サンプルCSVに仕込んだ3つの仕掛けを公開します。
あなたのGPT-5.6は、いくつ見つけたでしょうか。この3つを全部、行を特定して報告してきたら合格です。「なんとなく良さそうな要約」ではなく、監査のような具体的な指摘が返ってくるのが、データ分析にAIを使う一番の価値です。
AIが「重複の可能性」と言っても、本当に二重計上かどうかはデータだけでは決められません。同じ日に同じ商品が同じ数だけ2回売れることは、現実にはありえます。
AIの気づきは「確認リスト」であって「結論」ではない。最後に元データと現場を確認するのは人間の仕事です。
- おかしい行が行単位で特定されている
- 傾向が「伸び/落ち」で整理されている
- 仮説が断定ではなく「可能性」として書かれている
モデルの使い分け|大量処理はLuna、深い分析はSol
サンプルの30行なら、どのモデルでも一瞬です。実務でデータが増えてきたときのために、GPT-5.6の3モデルをデータ分析目線で使い分ける基準を書いておきます。
| モデル | データ分析での役割 | API価格(入力/出力・100万トークンあたり) |
|---|---|---|
| Sol | 気づきレポート、要因の考察、戦略コメント | $5 / $30 |
| Terra | 日常の集計、定型レポートのバランス枠 | $2.50 / $15 |
| Luna | 大量データの分類・抽出・整形の下ごしらえ | $1 / $6 |
覚え方は、シリーズ共通の合言葉で「設計=Sol、実装=Terra、雑用=Luna」です。データ分析に置き換えると、こうなります。
その中間の、毎週の定型集計はTerraで十分です。
ChatGPT本体のチャットでPlusプランが使えるのはSolだけです。LunaやTerraを自分で選んで使えるのは、ChatGPT WorkやCodex、API側になります。
大量データの下ごしらえからAIに任せたくなったら、複数ステップの業務を丸ごと自動でこなすChatGPT Workが次のステップです。
数字の取り扱いで必ず守ること(検算とマスキング)
AIのデータ分析には、正直に書いておくべき弱点が2つあります。ここを飛ばすと事故るので、必ず読んでください。
AIは計算を間違えることがある
GPT-5.6は計算に強いモデルですが、それでも間違えることはあります。行の読み飛ばし、重複の見落とし、期間の解釈違い。だからこの記事では、検算を2つ、手順に組み込んでいます。
- 最初に行数と期間を確認させる(読み込みミスをその場で発見)
- 出てきた合計を、1箇所だけ元データと突き合わせる(Excelで金額列を範囲選択すれば、右下に合計が出ます)
1箇所合っていれば、集計全体の信頼度はかなり高い。ズレていれば、どこかで読み込みか解釈が狂っています。
検算なしでAIの数字を会議に持っていくのは、やめてください。
AIの「気づき」は仮説にすぎない
STEP3でも書きましたが、AIが指摘した重複や異常値は「確認すべき候補」です。採用する前に、必ず元データの該当行に戻って、現場の事実と照らします。数字の異常には、入力ミスもあれば「本当にあった特売」もあります。
顧客情報はマスキングしてから渡す
自分の実データで試すときは、AIに渡す前に顧客の実名、口座番号、カード番号、住所、電話番号を消してください。
集計に、これらの情報は一切必要ありません。日付・金額・商品・チャネルがあれば分析はできます。
やり方は簡単で、ExcelやスプレッドシートでCSVを開いて、不要な列を列ごと削除するだけです。顧客名の列を残したい場合は、検索と置換で「顧客A」「顧客B」のような仮名にします(マスキングといいます)。
貼る直前に、上から下まで1回スクロールして、実名や番号が残っていないか目で確認する。この習慣までセットです。
Team Agentの実例|作業ログも「分析できるデータ」になる
Team Agentで実際にあった話を2つ書きます。
実例1:画像生成の実測ログを分析して設定を決めた
Team AgentでOpenAIの画像生成モデルgpt-image-2を使って、キャラクターのイラストを2枚生成したときの話です。品質設定quality=highでは2回連続、生成の途中でOpenAI側から接続が切れて失敗。quality=mediumに落としたところ、1枚あたり約1〜2分で安定して成功しました。出力は1536x1024で1枚約2.9〜3.0MB、画像最適化ツールを通した後で2.7〜2.8MBです。
ポイントは、この失敗と成功を「残念だった」で終わらせず、試行ごとの設定・所要時間・結果・ファイルサイズを表に記録したことです。この実測ログをGPTに渡して整理させると、「high設定は現状不安定、mediumが実用ライン」という判断が数字の根拠つきで残ります。
売上だけがデータではありません。日々の作業ログも、記録さえすれば分析対象になります。
実例2:Team Agentの分業は「文章はClaude、実装と数字はGPT側」
Team Agentの開発では、設計や文章はClaude(Fable 5)、実装はCodex(GPT側)という分業を実際に回しています。まさに「文系はClaude、理系はGPT」の役割分担です。
数字の集計・検証のような機械的な正確さが必要な仕事をGPT側に寄せる運用は、この記事の内容をそのまま実務にした形になっています。
よくあるエラーと対処法
CSV×AIでつまずくポイントは、だいたいこの7つです。エラーが出ても、元のデータが壊れるわけではないので落ち着いて大丈夫です。
合計の数字が元データと合わない
症状: AIが出した売上合計が、Excelで計算した合計とズレている。
原因: CSVの一部の行が読み飛ばされている。重複行やマイナスの行の扱いが、こちらの意図と違う。貼り付け時にデータが途中で切れている。
確認すること: 最初に「何行読めたか」を確認させたか。重複行を「合計に含める/除く」のどちらで扱ってほしいか伝えたか。
対処: 「読み込んだ行数と、最初と最後の行を見せて」と送り、元データと比べます。ズレていたら「◯行あるはずです。全行読み直してください」と指摘。「重複の可能性がある行も、指示するまでは合計に含めてください」のように扱いを明示し、直ったら合計を1箇所だけ再度突き合わせます。
CSVを貼ったら文字化けした
症状: 商品名や項目名が「�」や意味不明な記号になる。
原因: 古い会計ソフトや一部のサービスが書き出すCSVがShift_JISという文字コードで、そのまま貼ると崩れることがある。
確認すること: Excelやメモ帳で開いたときは正しく読めるか(読めるなら文字コードの問題)。
対処: Excelかスプレッドシートで一度開き、「名前を付けて保存」でCSV UTF-8形式を選んで保存し直します。それでも崩れる場合は、スプレッドシートに貼った表を範囲コピーして、チャットに直接貼ってください。
グラフが出ない・イメージと違う
症状: 「グラフにして」と頼んだのに文字の表しか出ない。または出てきたグラフが見にくい。
原因: グラフ描画の表示は環境や時期によって挙動が変わる。グラフの種類や軸の指定をしていない。
確認すること: グラフ画像そのものが必要か、それとも「グラフにできるデータ」があれば足りるか。
対処: この記事の基本ルートに切り替えます。「タブ区切りのグラフ用データで出して」と頼み、スプレッドシートでグラフ挿入。画面上のグラフにこだわる場合は「横軸を月、縦軸を売上、チャネル別の折れ線で」のように種類と軸まで指定します。最新の画面表示や機能は変わることがあるので、公式のヘルプ表示も確認してください。
データが大きすぎて後半が雑になる
症状: 数千行のデータで、後半の処理が省略されたり「以下同様」とまとめられたりする。
原因: 一度に出力できる量には上限があり、入力が読めても全行分の出力は返しきれないことがある。
確認すること: 全行分の出力が本当に必要か、それとも集計結果と異常値だけで足りるか。
対処: 「全行の表は不要。集計と、おかしい行の報告だけにして」と出力を絞ります。どうしても全行必要なら「1,000行ずつ処理して。まず1〜1,000行目」と分割。毎回大量に処理するなら、ChatGPT WorkやAPI側でLunaに下ごしらえさせる構成を検討します。
データに無い数字が混ざる
症状: 渡していないはずの「前年比」や「利益率」が、それらしい数字で出てくる。
原因: 指示が曖昧だと、AIがデータに無い数字を推測で補ってしまうことがある。
確認すること: プロンプトに「データに無い数字を推測で作らない」というルールを入れたか。
対処: 「この表のどの行から計算しましたか」と根拠を聞きます。答えられない数字は使いません。最初のプロンプトに「不明なら『データ不足』と書く」を必ず入れておきます。
Lunaが選べない・モデルが見つからない
症状: モデル選択にLunaやTerraが出てこない。
原因: ChatGPT本体のチャットでは、PlusプランはSolのみの提供。LunaやTerraを選べるのはChatGPT WorkやCodex、API側。Free/GoプランはChatGPT本体でGPT-5.6自体が使えない。
確認すること: 今開いているのがChatGPT本体か、ChatGPT Workか。自分のプラン。
対処: この記事の手順はSolだけで完走できるので、まずはそのまま進めます。Lunaでの大量処理を試したい場合は、ChatGPT WorkかCodexを開きます(Plus以上で3モデル選択)。提供条件は変わる可能性があるため、最新はOpenAI公式の案内で確認してください。
前月比や期間の解釈がズレる
症状: 「先月と比べて」と頼んだら、意図と違う期間で比較された。
原因: 「先月」「今月」のような相対的な言い方は、データの期間と今日の日付でズレることがある。
確認すること: 期間を日付で明示したか(例: 2026年5月と2026年6月を比較)。
対処: 期間は必ず「2026-06-01〜2026-06-30」のように日付で書きます。比較の向きも「6月が5月に対して何%増減か」と明示。結果の1行目に「比較した期間」を書かせて、意図と合っているか確認します。
数字が合わなかった瞬間、ほとんどの人がここで諦めます。
この記事を読んでも解決しなかった人は、公式LINEまでお問い合わせください。30分無料で面談したり、一緒に画面を見ながら作業したりすることも可能です。
AIに聞くためのプロンプト集
つまずいたときや、自分のデータに応用するときに、そのまま貼って使えるプロンプトです。
顧客の実名、口座番号、カード番号、パスワード、決済情報は貼らないでください。マスキングしてから渡すのが鉄則です。どのデータから分析を始めるか迷ったとき
私は[業種]の[経営者/個人事業主/担当者]です。
AIでのデータ分析を始めたいです。
手元にあるデータ:
- [例: レジの売上データ、ネットショップの注文一覧、広告の管理画面]
- CSVで書き出せるか: [出せる/出せない/分からない]
この中で、最初にAIに渡すと一番効果が出るデータはどれですか。
CSVの書き出し方が分からない場合の調べ方も教えてください。
顧客の個人情報は渡さない前提で回答してください。
貼る前のマスキングを確認したいとき
売上データのCSVをAIに渡す前の下処理を手伝ってください。
CSVの列: [例: 日付、顧客名、商品名、数量、金額、電話番号]
質問:
1. 削除すべき列はどれですか
2. 仮名に置き換えるべき列はどれですか
3. Excel/スプレッドシートでの具体的な手順を教えてください
実際のデータはまだ貼りません。手順だけ教えてください。
集計結果を検算したいとき
さっきの集計の検算をします。
こちらでExcelで計算した数字:
- 売上合計: [金額]
あなたの集計と比べて、ズレがあれば、どの行の扱いの違いでズレたのかを特定してください。
重複行や単価がおかしい行など、解釈が分かれた行があれば一覧にしてください。
気づきをもっと深掘りしたいとき
さっきの気づきレポートの「[例: 店頭売上の下落]」を深掘りしてください。
追加の情報:
- [例: 5月から近くに競合店ができた]
- [例: 6月は雨の日が多かった]
やってほしいこと:
1. データから言える範囲と、データでは分からない範囲を分ける
2. 確かめるために次に集めるべきデータを3つ提案する
3. 今すぐ打てる手の選択肢を、メリット・デメリット付きで2〜3案
毎月同じ分析を定型化したいとき
今回の分析を、毎月繰り返せる「定型の依頼文」にまとめてください。
条件:
- 私が毎月やることは「CSVを書き出す→マスキングする→貼る」だけにする
- 行数と期間の確認、月別・チャネル別の集計、グラフ用データ、気づきレポートまでを1回で頼める形にする
- 「データに無い数字を作らない」「おかしい行は報告だけ」のルールも入れる
エラーの状況を整理して相談したいとき
AIでのデータ分析がうまくいきません。
やろうとしたこと: [例: 売上CSVの月別集計]
起きたこと: [例: 合計が合わない/文字化けした/グラフが出ない]
画面に出ている内容: [出力やエラー文を、実名や秘密の情報を消して貼る]
原因の可能性を3つまで挙げて、初心者向けに、確認する順番で教えてください。
データ分析の実務活用事例12選
売上CSVで流れを覚えたら、同じ型がいろいろな数字仕事に使えます。どれも「渡す→集計→グラフ用データ→気づき」の流れは同じです。
このうち大量の行を毎日さばく系(在庫、顧客リスト、SNSデータ)は、慣れてきたらLunaやChatGPT Workに寄せると、コストと速度が両立します。
よくある質問
GPT-5.6のデータ分析は無料で使えますか?
ChatGPT本体のチャットでは、Free/GoプランでGPT-5.6は使えません。この記事の手順にはPlusプラン以上(ChatGPT本体でSolが使える)をおすすめします。なお、ChatGPT WorkやCodexならFree/GoでもTerraだけは使えます。提供条件は変わる可能性があるため、最新は公式ページで確認してください。
Excelファイルのままではダメですか?CSVへの変換は必要ですか?
Excelファイル(.xlsx)はCSVに変換してから渡すのが確実です。Excelで開いて「名前を付けて保存」→「CSV UTF-8」を選ぶだけで変換できます。CSVはただのテキストなので、文字化けやレイアウト崩れのトラブルが起きにくく、チャットに直接貼ることもできます。
AIの集計結果はそのまま信じていいですか?
そのままは信じないでください。GPT-5.6でも、行の読み飛ばしや解釈違いで数字がズレることはあります。この記事では、最初に読み込んだ行数と期間を確認させることと、出てきた合計を元データと1箇所突き合わせることの2つの検算を必ず手順に入れています。この2つをやれば、間違いには数分で気づけます。
顧客名が入ったデータを貼っても大丈夫ですか?
貼らないでください。顧客の実名、口座番号、カード番号、住所、電話番号は、集計や分析に不要な情報です。AIに渡す前に、ExcelやスプレッドシートでCSVを開いて列ごと削除するか、「顧客A」のような仮名に置き換えて(マスキングして)から渡してください。
SolとLuna、データ分析ではどちらを使えばいいですか?
入門はSolだけで大丈夫です。Solは深い分析コメントや要因の考察に一番強く、ChatGPT本体のPlusプランで使えます。Lunaが効くのは、数千行の分類・抽出のような大量の下ごしらえで、価格もSolの5分の1(API価格で入力$1/出力$6)です。ただしLunaを選べるのはChatGPT WorkやCodex、API側になります。
グラフはChatGPTとExcelのどちらで作るべきですか?
確実なのは、ChatGPTに「タブ区切りのグラフ用データ」を出させて、スプレッドシートやExcelでグラフにする方法です。画面上にグラフを描いてくれる場合もありますが、表示のされ方は環境や時期で変わります。スプレッドシートに毎月貼り足せば、そのまま推移のダッシュボードになるのも利点です。
GPT-5.6とClaude、データ分析はどちらが得意ですか?
AI駆動倶楽部では「GPTは理系(計算・コード・分析)、Claudeは文系(文章・デザイン)」と整理していて、数字仕事の入口はGPT-5.6をすすめています。実際はどちらでもデータ分析はできますが、迷う時間を無くすために入口を決めておくのが実務のコツです。両者の比較はシリーズの完全マスターガイドにまとめています。
プログラミングの知識は必要ですか?
必要ありません。この記事の手順は、CSVをコピーして、日本語のプロンプトと一緒にチャットに貼るだけです。関数もコードも書きません。将来、毎日の大量データを自動で処理したくなったときに、APIやCodexの世界が選択肢に入ってきますが、それは必要になってからで大丈夫です。
まとめ
- この記事のサンプルCSVと「最初に送るプロンプト」をChatGPT(GPT-5.6)に貼る
- 3つの仕掛け(重複・桁違い・下落傾向)をAIが見つけるか、答え合わせをする
- 出てきた合計を1箇所だけ検算して、「確認してから使う」習慣を作る
サンプルで流れをつかんだら、次は自分の売上データです。マスキングだけ忘れずに。
数字仕事はGPT、文章仕事はClaude。
入口を決めれば、AIの使い分けはシンプルになります。
更新履歴
- 2026-07-14: 記事公開。
自分のデータのどれから始めればいいか迷ったら、そこで止まらなくて大丈夫です。
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